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8/4(木)-8/11(木)

食欲の低下について

獣医師が監修しました
工藤 綾乃 先生

獣医師

食欲が落ちた時に気をつけること

ねこが急にごはんやおやつを食べなくなると、何か病気じゃないかと不安になる方もいらっしゃるかと思います。こういった場合には、もちろん病院に相談することが一番ですが、病院に行くまでに、「いつから」(時間)、「どのくらい食べないのか」(量)、「食べない以外の症状はあるのか」を確認するようにしてください。

「いつから」

①いつから食欲がなくなったのか、②急になのか徐々になのか、③食べなくなってから何日経過しているか、を把握しましょう。これらのきっかけとして、食事を変えた、来客があったなど、普段とは異なる出来事があったかなども重要な情報となります。

「どのくらい」

①普段を100%として現在の食欲は何%くらいなのか、②食べなくはないが普段よりも食事にかける時間が長くなっているのか、などを確認してみてください。また、③ドライフードが嫌なだけでおやつはたべるのか、なども確認してみるとよいでしょう。

 

「その他の症状」

①食べないだけでなく元気がなくうずくまってぐったりしているのか、②下痢や嘔吐はないか、③問題なく排尿排便はできているか、なども見てあげてください。食欲不振が続くと体重減少もみられますので自宅でも体重を確認してみてください。

一番そばでねこを見ているみなさんからの情報は、診断する際にとても役に立ちます。どんな些細なことでもためらわずお医者さんに伝えるようにしてもらえればと思います。

 

原因

ねこが食べなくなる原因は非常に様々です。比較的原因として多いものは次のようなものになります。

・胃腸、肝臓、腎臓、膵臓など内臓の病気

胃炎や胃腸炎、誤食による腸閉塞、ひどい便秘のときなど、ねこは食べなくなります。肝臓病や腎臓病の際も食欲低下がみられます。

・歯肉炎など口の中の病気

歯肉炎や歯周病は多くのねこに認められ、ひどい場合は口の中全体が真っ赤に腫れてただれてしまい、痛みが強くて食べられなくなってしまいます。涎が多かったり出血を伴っていたり、口を気にするようなそぶりや咬みにくそうな様子がみられることもあります。

・痛み

高齢になってくると人と同じように腰や膝といった色々な箇所で痛みがでてきます。それ以外にも体のどこかに違和感や痛みがある際も食欲が落ちてしまいます。

・ストレス

フードやおやつのメーカーを変えることによる食事の変化、引っ越しや部屋の外で工事が始まって音がするなどの環境の変化、些細な変化にもストレスを感じて食べなくなるねこもいます。

・様々な体調不良のサイン

ほかにも様々な不調の結果として食欲不振がみられます。

 

診断のために行う検査

食欲不振という症状だけでは原因を特定することは困難です。幅ひろく検査を行う必要があります

・血液検査

肝臓病や腎臓病がないかを確認します。他にもミネラルのバランスが崩れていないか、貧血がないかなど幅広く確認します。

・X線検査

なにか誤食して腸の閉塞が起きていないか、便秘がないか、肝臓や腎臓といった臓器の異常がないかを確認します。

・エコー検査

胃や腸の動きを確認したり、肝臓や腎臓や膵臓など臓器の異常がないかを確認したり、炎症がおきてリンパ節が腫れたりしていないか、おなかの中全体をくまなくチェックします。

肥満のねこは要注意!!

特に肥満のねこで注意していただきたいこととして、肝リピドーシスという病気があります。肝リピドーシスとは食べない状態が何日か続くことで体がエネルギー不足になり、肝臓に脂肪が蓄積し肝臓機能障害をおこす病気です。肝リピドーシスは長期に渡る治療が必要で、場合によっては死んでしまうこともある病気です。食欲不振を放置してしまうと、二次的に危険な病気になることもあるので注意しましょう。

  

監修者

工藤 綾乃 先生 (獣医師)

札幌出身。地元の北海道大学を卒業後、関東の動物病院で勤務。腫瘍症例の治療に携わるなかで、より効果的な治療を見つけたいと考え、現在は麻布大学博士課程に在籍中。ねこと暮らしながら実験漬の日々を送っている。専門や興味のある分野は、がん、麻酔・集中治療、野生動物臨床など。