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ご飯を完食しない、これって大丈夫?

獣医師が監修しました
工藤 綾乃 先生

獣医師

ねこがごはんを食べ終わったあと、お皿にフードが残っているのを発見して心配になったという経験をしたことがあるご家族は多いのではないでしょうか。この記事では、ねこがフードを残す理由や原因について明らかにしておきましょう。

 

ねこの食事のとり方

野生のねこは一日中狩りをし、少量の食餌を何度も食べます。これは、次にいつ狩りが成功するか分からないという理由に加え、満腹になってしまうと運動能力に支障をきたし、危険から逃げることができなくなってしまうことも理由の一つとして挙げられます。このことからもわかるように、そもそもねこは少しずつ食餌をとる動物で、胃袋にあまり食べ物を蓄えるようにできていません。逆に食べ過ぎると吐き出してしまうこともあります。そのため、与えられたごはんを一度に全部食べようとしないのは、ねこの本能による自然な行動であるといえます。

 

急に食いつきが悪くなったときの原因

ねこがごはんを完食せず、少しずつ食べることは問題ないということは理解していただけたかと思います。ただし、今まではしっかり食べていたのに、急にごはんを残すようになったときには以下のような理由が考えられます。

おなかが減っていない

もっとも単純な理由ですが、おやつのあげすぎの他、屋外に出ることがあるねこの場合、他の家でごはんをもらっていたり、狩りをして獲物を食べていたりするなどの可能性が考えられます。

フードが気に入らない・飽きた

出された食べ物が気に入らない場合、ねこは最低限の量しか食べなくなることがあります。また、ねこの中には特定の食べ物しか食べない、好き嫌いの激しい子もいます。フードを食べない場合は、何種類か試してみるのも良いでしょう。

フードの質が悪い

特に湿気や気温の高い日、そしてウェットフードや手作りのフードをあげている際に考えられることですが、長期間放置しているとフードが痛んだり、腐ったりすることがあります。また、ドライフードの場合でも油分が酸化することでにおいが変わってしまうことがあります。ねこはこういったフードを食べないことが多いです。また、質の悪くなったフードはねこの健康を害することもありますので、常に新鮮なフードを与えるようにしましょう。

必要カロリー量の減少

運動量の多い、若いねこと、寝ている時間の多い高齢のねこでは、必要とするカロリー量は当然異なります。基本的にねこは自分にとって最適なカロリーをとる動物ですので、与えられたフードのカロリーが必要量を上回っていると、その分は残す傾向にあります。

ストレス

引っ越しや同居人・同居ねこが増えるといった環境の変化があった、また寂しさや不安、退屈などを感じる出来事があるなど、ねこがストレスを感じている場合、食欲が減ってしまう可能性があります。また、トイレの近くに食餌場所があると、ねこが嫌がって食餌をしないこともあります。

ねこの食欲がないときには、環境にも気をつかってみましょう。

 

病気による食欲不振

人と同様、ねこも体調が悪いと食欲がなくなります。その他、口の中にケガや炎症があったり、できものがあったりするとごはんを食べなくなることがあります。

ねこがフードを食べきれていないことに気づいたときは、いつもと違う様子が見られないか注意深く観察しましょう。普段とは異なる状態である場合、動物病院で検査を受けましょう。

その他、フードが入っているお皿が深かったり小さかったりすると、ねこによってはうまくフードを食べられない場合があります。お皿にフードは残っているけれど手であげてみると食べる場合は、お皿の変更を試してみましょう。

 

病気が隠れている可能性に注意

ごはんを少量ずつしか食べないのがねこの本能であるとはいえ、体重が減少するほど食べない場合は病気の可能性があります。

食べないことが気になった場合は、ねこが好きなものや別のフードなら食べるのかどうかを確認しましょう。また、以前は問題なくフードを食べていたのに急に食欲が減った、嘔吐、下痢、その他の症状が出ているときには病院を受診しましょう。

食べない期間が長い場合には肝リピドーシスに注意

特に肥満のねこにおいて、食事摂取量が減少すると体の中の脂肪が分解され、肝臓に急激に脂肪が蓄積されてしまう肝リピドーシス(脂肪肝)という病気になるリスクがあります。嘔吐、下痢、体重減少、黄疸(おうだん:白目や皮膚、粘膜が黄色っぽくなる)などの症状があらわれ、そのまま放置していると痙攣や意識障害などの深刻な状態に陥ってしまうこともあります。

 

ごはんを食べない期間が続いている、体調が悪そう、急に体重が減少してきた、といった症状が見られた場合は、病院で検査を受けるようにしましょう。

 

 

参考文献:

1. Alterations in adipokines in feline hepatic lipidosis. M. Mazaki-Tovi, et al. J Vet Intern Med. 2013.

監修者

工藤 綾乃 先生 (獣医師)

札幌出身。地元の北海道大学を卒業後、関東の動物病院で勤務。腫瘍症例の治療に携わるなかで、より効果的な治療を見つけたいと考え、現在は麻布大学博士課程に在籍中。ねこと暮らしながら実験漬の日々を送っている。専門や興味のある分野は、がん、麻酔・集中治療、野生動物臨床など。