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パルボウイルス感染症について

獣医師が監修しました
工藤 綾乃 先生

獣医師

パルボウイルス感染症とは

猫汎白血球減少症とも呼ばれる伝染力の強い感染症です。特に幼猫にとっては致死的な病気で、骨髄や腸管などの重要な臓器にダメージを与えます。治療をしないとほとんどのねこが亡くなってしまうと言われています。しかし、有効なワクチンが開発されおり、推奨されているタイミングでワクチンを接種してあげることで予防できる病気です。

 

原因

パルボウイルスは環境中に存在するため、全てのねこが感染してしまう可能性があります。感染してしまったねこは、1-2日後には鼻水や吐物、尿、糞便中にウイルスを排泄すると言われています。また、排泄されたウイルスは感染力を保ったまま環境中に何ヶ月も留まるため、感染したねこと直接接触しなくても感染してしまう可能性があります [1]。

症状

パルボウイルスは、特に骨髄と消化管を標的にするため、以下のような症状が見られます。

・食欲の低下、元気がなくなる 

・嘔吐、下痢(真っ赤な下痢の場合もある)

・発熱

・鼻水

・脱水

・舌が白っぽくなる

また、血液中の細胞を作っている骨髄がダメージを受けるため、好中球などの白血球が減少したり、赤血球が減り貧血が起きてしまいます。

 

診断のために行う検査

パルボウイルスはとても伝染力が強いウイルスなので、感染が疑われる場合には他のねことは別の場所で検査を受けることが推奨されます。

身体検査

 発熱や脱水がないか、舌の色が白っぽくないかを評価します。

血液検査

 貧血や免疫細胞である好中球が少なくなってないか、他に嘔吐や下痢などを起こす異常がないかを確認します。

X線検査

 他に嘔吐や下痢などを起こす異常がないかを確認します。

エコー検査

 他に嘔吐や下痢などを起こす異常がないかを確認します。

 

治療

現時点では、パルボウイルスを特異的に減らすことができる治療法は有りません。パルボウイルス感染症による症状に対し、点滴や栄養管理、抗菌薬による対症治療を行い、ねこが自分の免疫力でパルボウイルスを排除できるまで支えてあげる必要があります。ねこでは、これらの治療をしなかった場合90%の確率で亡くなってしまうと言われています。しかし、これらの治療によって5日以上生存できたねこは、治る確率がかなり高くなるとも言われています。

パルボウイルスが疑われる場合は、ほかの動物に感染を広げてしまう可能性があるため、事前に動物病院にご相談ください。

 

予防

ねこは生後2-3ヶ月まではお母さんからの免疫力が残っており、パルボウイルスに感染しにくいですが、それ以降はお母さんからの免疫力が低下してしまいます。パルボウイルスに対しては有効なワクチンが開発されているため、免疫力が低下しないように推奨されているタイミングでワクチンを接種してあげる必要があります。獣医さんとよく相談してワクチンを接種して上げてくださいね。

もしねこがパルボウイルスに感染してしまったら

例えば、ねこを多頭飼いしている場合、一頭のねこがパルボウイルスに感染してしまった場合には、その子を隔離し、食器からトイレ、生活空間を含め全て他のねこと分けてあげる必要があります。パルボウイルスには一般的なエタノール消毒は効かないため、次亜塩素酸ナトリウムという消毒薬などを用いて、消毒してあげる必要があります。

 

参考文献:

1. Feline panleukopenia: A re-emergent disease. Barrs RV, Vet. Clin. North. Am. Small. Anim. Pract. 2019.

監修者

工藤 綾乃 先生 (獣医師)

札幌出身。地元の北海道大学を卒業後、関東の動物病院で勤務。腫瘍症例の治療に携わるなかで、より効果的な治療を見つけたいと考え、現在は麻布大学博士課程に在籍中。ねこと暮らしながら実験漬の日々を送っている。専門や興味のある分野は、がん、麻酔・集中治療、野生動物臨床など。