短毛でもブラッシングは必要?短毛・長毛それぞれのブラシ選びやブラッシング手順を紹介!

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工藤 綾乃 先生 獣医師
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ねこにはブラッシングが必要?

ブラッシングは、ねこの毛の汚れや油、古い毛を取り除くだけでなく、古い皮膚を落としたり、血行を促進したりすることで皮膚全体の状態をよくする効果があります。また、ブラッシングを通してねこの皮膚の状態を確認することができ、アレルギー症状やダニ・ノミといった外部寄生虫などの皮膚トラブルの早期発見にも役立ちます。

ブラッシングをしないと、毛が絡まってねこが痛い思いをしたり、古い毛をグルーミングの際に飲み込んでお腹の中に毛がたまったりします。お腹にたまった毛玉は、通常であれば吐き出したり、糞とともに排泄されたりしますが、毛玉が多くなりすぎると胃や腸にとどまって「毛球症」と呼ばれる状態になります。ひどい場合は手術によって取り除く必要が出てくることもあります。

特に換毛期(季節の変わり目)の抜け毛の量は通常の数倍にもなります。もつれて大きな毛玉となり、ねこにとってストレスとなるだけでなく、部屋中に毛が散乱してご家族にとっても良いことではありませんので、ブラッシングでこのような事態になるのを防ぎましょう。

 

ブラシの種類

ブラッシングには、それぞれのねこに合ったブラシを選ぶことが大切です。ねこによって、毛の長さ、毛量、カールしている、など毛の特徴が異なりますので、適切なブラシを使用しましょう。

短毛種ではラバーブラシやコーム、長毛種ではコーム、ピンブラシ、スリッカーブラシといった種類のブラシがよく使用されています。ねこによって好みのブラシが異なることもありますので、もしねこが嫌がるようであれば異なる種類のブラシを試してみると良いでしょう。

ブラッシングの方法・頻度

ブラッシングの前に、ねこの毛や皮膚の状態をチェックしましょう。禿げているところが無いか、ノミやダニがついていないか、肌の色、傷やできものの有無などを確認し、異常が見られた場合は獣医師に相談しましょう。

ブラッシングをするタイミングは、ねこが落ち着いているときを選びます。ねこが嫌がるそぶりを見せたら無理をせず、別の場所・時間に試してみましょう。最も大切なことは、ブラッシングは楽しいことである、とねこに感じてもらうことです。具体的な方法は、以下のリンクに記載があるので参照にしてください。

爪切りやブラッシングなどのお手入れに慣れるためには

 

ブラッシングの仕方は様々ですが、やり方の一つをご紹介します。

1. 頭からお尻まで毛並みに沿って、毛の生えている方向にブラシをかけます。

2. 脇から後ろ足に向かってブラシでとかします。

3. お腹も毛並みにそって優しくブラッシングします。首回りは首の前から胸に向かってとかします。

4. しっぽは、付け根から先端に向かってブラシをかけます。しっぽは握らないよう注意しましょう。

5. 長毛種の場合は1~4に加えて、脇からお腹にかけてや、内股の部分も毛玉ができやすい部位なのでよくとかしましょう。

ブラッシングしている途中で毛がブラシに引っかかってしまった場合は、無理に引っ張らず、ブラシを置いて指先で毛玉もほぐし、ほぐれてから再度ブラシで少しずつとかすようにしましょう。ねこにストレスを与えないようにすることが大切です。

長毛のねこにはできれば毎日、短毛のねこでは週に一度のブラッシングが推奨されています。ブラッシングのついでに、耳の中に異常が無いか、耳垢、色、臭いなどを確認したり、爪が伸びすぎていないかといったこともチェックできるとなお良いですね。

ブラッシングをあまり好まないねこの場合は、一度に全身をブラッシングせず、時間を区切って一部分ずつ分けてブラッシングするとねこにかかる負担も少なくなります。ただし、どうしてもブラッシングを嫌がるねこもいます。そういったねこの場合、無理にブラッシングをすることでねこを傷つけてしまったり、ブラッシングをしているご家族がケガをしてしまったりする可能性もあります。そのため、プロや獣医師に依頼する方が双方にとって安全です。

この記事を監修した人
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工藤 綾乃 先生 獣医師

札幌出身。地元の北海道大学を卒業後、関東の動物病院で勤務。腫瘍症例の治療に携わるなかで、より効果的な治療を見つけたいと考え、現在は麻布大学博士課程に在籍中。ねこと暮らしながら実験漬の日々を送っている。専門や興味のある分野は、がん、麻酔・集中治療、野生動物臨床など。

発行・編集:株式会社トレッタキャッツ

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