尿のにおいがきつい時
ねこの尿はもともと臭う?
猫の尿は独特の臭いがするため、慣れない人には少しきつく感じられることがあります。最近は猫用トイレや猫砂の改善が進み、猫が尿をしても気づかないくらいですが、特に去勢手術を行なっていない雄ねこは、ホルモンの関連で尿のにおいがきつくなりがちです。もし、雄ねこの尿のにおいやスプレー行動が気になる場合には、去勢手術を行なってあげることで改善できる可能性があります。
普段は気にならないのに、急に尿のにおいが強くなったときには、病気のサインが隠れている場合があります。
まずは尿の臭いのタイプから原因を考えていきましょう。
臭いのタイプから疑われる原因
鼻にツンとくる臭いのとき
ツンとした臭いがする場合には、細菌性膀胱炎を発症している可能性があります。細菌性膀胱炎とは、その名の通り、膀胱に細菌が入り込むことで炎症を起こす病気です。ツンとした臭いは、尿中でウレアーゼ産生菌が増加し、アンモニアが大量に発生することで生じます。また、頻尿や血尿という症状が同時に起きることもあります。
しかし、全ての細菌性膀胱炎の症例で尿のにおいがきつくなるわけではないので、注意が必要です [1]。
甘酸っぱい臭いのとき
糖尿病のときには、甘酸っぱいような臭いが出てくることがあります。糖尿病は、膵臓からのインスリンの分泌に異常が生じることで、血糖値が高くなってしまう病気です。血液中の過剰な糖分が尿に排出されることで、尿のにおいに変化が生じます。また、お水を飲む量や尿量が増える、「多飲多尿」という症状も起きやすいので注意が必要です。
生臭い臭いがするとき
また、まれな病態ではありますが、尿と一緒に膿が出てくることで生臭いような臭いがすることがあります。腎臓や膀胱にひどい炎症が起きていたり、避妊手術を行っていない雌ねこでは、子宮に膿がたまる子宮蓄膿症という病気が生じている可能性があります。雌ねこは、膣と尿の出口がつながっているため、子宮に溜まった膿が尿に混じって出てきてしまうのです。ドロドロとした乳白色のものが尿と一緒に出ている場合には、すぐに動物病院に相談しましょう。
尿のにおいが気になる時の検査
尿の臭いに違和感があるときには、まず尿検査が必要になります。尿検査では、尿が酸性かアルカリ性か、血尿や尿糖の有無、細菌の感染徴候があるかといったような、たくさんの情報が得られます。病院を受診する際には、その日にした尿を持参するとすぐに検査に進めます。
尿の検査結果や症状から、疑わしい病気がある場合には血液検査・エコー検査を行います。
尿のとり方
猫砂をトレーに入れたタイプのトイレの場合には、ねこがおしっこの姿勢になったら薄いトレーのようなものをお尻の下に差しこみ尿を回収しましょう。トレーは必ずきれいに洗い、水気をよく切ってから使用してください。システムトイレの場合は、下段にペットシーツの代わりに食品用ラップをひいておくことで回収ができます。
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