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ドライフードとウェットフード

獣医師が監修しました
工藤 綾乃 先生

獣医師

フードの種類について

いま皆さんがねこにあげているフードは「総合栄養食」でしょうか?

総合栄養食はペットの健康維持に必要な栄養バランスを満たしているフードであり、基本的にはそのフードと水のみで大丈夫、というものです。ほかのフードには、栄養補完(補助)食、一般食、おやつなどがありますが、どれも主食である総合栄養食に追加で与えることが前提ですので、それだけを与えていると健康に悪影響を与える可能性があります。パッケージの裏に記載があるので、ぜひご自宅のフードの確認をしてみてください。

ここからはそのフードの水分量の違いによって分けることのできるドライフードとウェットフードの違いについてお話しようと思います [1]。

 

ドライフードとウェットフードの違い

フードはドライフードとウェットフードの2つに大別することができます。この二つは水分含有量によって分けられます。ドライフードはその水分量が10%程度なのに対し、ウェットフードは70%が水分になります。また、製造過程の違いからドライフードの方が炭水化物を多く含み、ウェットフードはタンパク質を多く含む傾向にあります。ねこそれぞれの好み、体質、疾患に合わせた適切なものをいろいろと試しながら見つけていきましょう。

どちらのフードにも優れている点、注意すべき点がありますので、どんなねこでもこれさえ食べれば健康で暮らせるという万能フードはありません。ではドライフードとウェットフードそれぞれどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか [2]。

 

ドライフードのメリット・デメリット

ドライフードは水分量が少ないため、保存性に優れています。ですから冷蔵庫などに入れる必要もないですし、安定した品質で長期間保存することができます。ねこは出された食事を一度で食べきらず、時間を置いて少しずつ食べることがありますが、ドライフードであればすぐに傷んでしまうような心配もありません。

コストもウェットフードに比べて抑えられるので、購入しやすいということもメリットになります。これらメリットを考えた場合に、ドライフードを主食として与えられている方も多いでしょう。

そのほかにも、健康面でのメリットも挙げられます。例えばドライフードはその硬さから飲み込む際によく噛む必要があるため、歯垢などがつきにくいとされています。また、腎臓病など食事療法を行う病気では、ドライフードの方が種類豊富なため、好みのフードを見つけやすいこともあります。

一方デメリットとしては歯周病や歯肉炎のねこでは、痛みから噛むことができず食べられないことなどが挙げられます。

 

ウェットフードのメリット・デメリット

ウェットフードの一番のメリットは食事で水分を取れることです。特にねこに多い疾患である尿石症では、水分の摂取を増やすことが病気の予防につながるので、あまり自分から水を飲まないねこでは非常に有益となります。また、水分量が多いためドライフードに比べてかさがある分満腹感を得やすく、肥満の防止にもつながります。

さらに、形状や匂いから、嗜好性が高く、食欲の低下したねこでも食べてくれることがあります。

デメリットは、コストがドライフードに比べて高いことや、一度開けてしまうと長期間保存ができないことなどが挙げられます。特に夏場などいたみやすい時期は、食べ残しの処分に気をつけなければいけません。

 

ミックスフィーディング

両方のいいとこ取りをするフードのあげかたとして、ミックスフィーディングという、ドライフードとウェットフードを混ぜてあげる方法があります。

例えば朝はドライフードをあげて、日中ひとがいない時間かけてゆっくり食べさせる。夜はウェットフードをあげて水分をとらせる一方、時間が経っていたむ前に、ひとが寝る前に片付けてしまう。そうするとドライフード単独より食事からの水分がとれ、ウェットフードの必要量が少なくて済むことからコストを抑えることができます。他にもドライフードとウェットフードを混ぜたり、嗜好性の高いウェットフードをドライフードのトッピングとして使ったりすることも考えられます。

ぜひ、ねこの好みやひとの生活スタイルにあった継続しやすいミックスフィーディングの方法を探してみてください。 

 

参考文献:

1. ペットフード協会、ペットフードの種類、https://petfood.or.jp/knowledge/kind/index.html 参照日: 2022.01.03

 

監修者

工藤 綾乃 先生 (獣医師)

札幌出身。地元の北海道大学を卒業後、関東の動物病院で勤務。腫瘍症例の治療に携わるなかで、より効果的な治療を見つけたいと考え、現在は麻布大学博士課程に在籍中。ねこと暮らしながら実験漬の日々を送っている。専門や興味のある分野は、がん、麻酔・集中治療、野生動物臨床など。