ねこのごはんの選び方・あげ方

田中 由衣子 先生のサムネイル
田中 由衣子 先生 獣医師
目次

キャットフードの選び方

市販されているキャットフードには、いくつか種類があります。おそらくパッと思いつく違いとしては、形状かと思います。カリカリのドライフード、缶詰やパウチタイプのウェットフード、そしてその中間のセミドライフードが存在します。ドライフードとウェットフードについては、別の記事でくわしく説明していますので、ぜひ合わせてご参考にしてください。

ドライフードとウェットフード

キャットフードは、栄養組成の観点からも何種類かに分類できます。一般に、いわゆる「ごはん」として食べられるものは「総合栄養食」、「副食」として食べられ、メインのお食事にはならないものは「一般食」、また病気の際の治療目的で作られたものは「療法食」と記載されています。一般食は嗜好性が高いものが多いのですが、それだけを与えていては必要な栄養素が摂取できないため注意が必要です。「キャットフード」とひとくくりに言ってしまうとわかりづらいですが、コンビニに行けばお弁当もポテトチップスもおかゆも市販されていると考えればいかがでしょうか。人間のご飯と違う点は、ねこのフードはパッケージの雰囲気や中身の見た目で区別しづらいということです。しっかりと上記の記載を確認するようにしてくださいね。

では、上記分類を参考に、ご自宅のねこのごはんが決まったらそれで終わり…でしょうか?ねこ側の要因としても、考えなければならないことがいくつかあります。まず、個々の体質や生活習慣は様々であり、適したフードも量も全員同じではありません。消費カロリーが少ないねこならば、他の子と同じ量を食べたら太ってしまいますので、低カロリーなフードや少し控えめの食事量が合っているでしょう。便秘になりやすい子ならば様々な高繊維フードが推奨されます。フードを変えるときは少しずつ今までのご飯に混ぜてみて、おなかを崩さないか便が硬くなりすぎないか確認していきましょう。

また、年齢ステージによっても必要な栄養分は異なります。成長期には身体を作らなければいけないため栄養分豊富なお食事が必要です。同様に、シニア期には食欲が減ったり筋肉が落ちやすくなったりするため、こちらも栄養分豊富なもの、消化に良いもの、あるいは食べやすい食餌が要求されます。

 

フードのあげかた

食餌回数はどの程度が適しているのでしょうか?一般には一日二回が無難です。しかし、子ねこやシニアでは消化の負担を減らすために一日の食事量を3回以上にわけてあげるとよいでしょう。

与える量は、理想体重を目安にパッケージに記載のカロリー表を見てみてください。ただし、避妊去勢手術を受けていない子では比較的多めにカロリーが必要になりますし、必要なカロリー量はその子その子でかなり違います。体重の増減を見ながら量の調整が必要になります。

お皿も様々な種類がありますが、質感によって好みがあるといわれています。陶器やガラスなど何種類か試してみてもいいかもしれませんね。シニアになったり関節が痛くなったりしたねこでは、お皿を少し高くして、あまり頭を下げずに食べられるようにすると優しいです。

また、ねこはご飯に飽きやすい動物だといわれています。飽きないように複数種類を混ぜてあげているご家庭もありますが、どちらかというと飽きてしまったときのために二、三種類フードの選択肢を持っている方が有効かと思います。もし飽きてきてしまったら次のフード、というように変えてみてあげてください。

もしも吐き気があったり元気がなかったりするときは、ただの飽きでなく何かの病気がかくれている可能性がありますので、念のため動物病院を受診してください。

 

水も重要

ねこはあまり自分から水を飲まない傾向があります。そのため水飲み場は、アクセスしやすい場所数ヶ所に設置してあげましょう。水が汚れたらすぐ変え、切らさないようにしてくださいね。お水の種類は、基本的には水道水でよいでしょう。硬水のミネラルウォーターは、尿路結石ができるリスクがあるかもしれませんのであまり推奨されません。

この記事を監修した人
田中 由衣子 先生のサムネイル
田中 由衣子 先生 獣医師

東京都出身。幼少期から動物が好きで、いろいろな生きものを追いかけて育つ。卒業後は腫瘍研究をしながら、小動物臨床に携わってきた。数年前から研修もはじめ、ねこちゃんとそのご家族に最適な治療を提供すべく、日々勉強に追われている。

発行・編集:株式会社トレッタキャッツ

24時間365日、
ねこの小さな変化にも
すぐ気づける見守りトイレ。

泌尿器疾患にかかりやすいねこ。 カメラつきトイレとアプリを連動するだけで、 ねこにストレスをかけることなく、毎日の体重や尿のデータをグラフでチェック。 獣医師と共同開発したトレッタ独自のシステムで 変化を見逃さず、早期かつ適正な対応が可能に。 ねこの毎日をトイレから見守ります。

もっと詳しくみる