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ねこのライフステージごとに飼い主が知っておくべきこと|前編:子猫期〜青年期

獣医師が監修しました
工藤 綾乃 先生

獣医師

ねこのライフステージ

ねこは人よりも早く年齡を重ねます。その一生は、Kitten 子猫期、Young adult 青年期、Mature adult 中年期、Senior 高齢期の4つのステージに分けられます [1]。それぞれのステージに合わせて食事や生活環境に配慮し、ねこの健康をサポートしていきましょう。

今回の記事では前編として、子猫期〜青年期について説明していきます。中年期から高齢期のケアについてはねこのライフステージごとに飼い主が知っておくべきこと|後編:中年期〜高齢期をご覧ください。

 

Kitten子猫期:0~1歳

この時期は、心身ともにとても早いスピードで成長します。おうちで一緒に生活する上で、感染症の予防を徹底して、安全な飼育環境を整えてあげましょう。

ワクチン接種

母親から受け取った免疫が2ヶ月齢頃から弱まります。この時期からウィルス感染症を予防するためにワクチンを接種しましょう。一般的に予防が必要なウィルス感染症は猫汎白血球減少症、猫ウィルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症の3つです。これらのワクチンはコアワクチン(3種混合ワクチン)と呼ばれ、初回接種を終えたら、1か月程度あけて追加接種が必要です。子ねこを家族に迎えたら、ワクチン接種歴を確認しましょう。また、多頭飼育や屋外での生活をしているねこの場合は、猫白血病ウィルスや猫免疫不全ウィルスの感染リスクが高いため、感染の有無を検査しておくと良いでしょう。

ノミ・ダニ予防

ノミはねこの体表に寄生し、吸血します。中には、アレルギー性の皮膚炎や腸に寄生する条虫の感染を引き起こす場合もあります。

ダニには、マダニやヒゼンダニ、耳ヒゼンダニ、ツメダニなどの種類があります。中でも、マダニは吸血して、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)という危険な感染症を媒介します。ヒゼンダニは重度の痒みを伴う疥癬という皮膚病を引き起こします。

このように、ノミもダニも子ねこの成長を妨げる危険な寄生虫です。とくに、多頭飼育や屋外での生活をしているねこの場合は、感染の有無を確認しておくと良いでしょう。家の中で生活していても、私たちの衣服から子ねこに感染する場合もあるため、必ず、薬を定期的に使って予防・駆除しましょう。

避妊去勢手術

ねこは6カ月齢頃に性成熟を迎え、雄ねこはスプレー行動が目立ち、雌ねこも特徴的な鳴き声で鳴き続けるなどの発情行動が見られるようになります。

ねこは交尾刺激で排卵するため、交尾すると高い確率で妊娠してしまいます。望まない妊娠を避けるためにも、避妊去勢手術を検討しましょう。

手術には全身麻酔が必要なため、事前に全身検査をして、獣医師と相談しながら計画的に実施しましょう。

避妊去勢手術を終えると、ホルモンの影響で太りやすくなります。1歳頃には体格が成熟するので、体重が増えすぎないように食事の量を調整しましょう。

●注意したい病気:誤食、中毒

探求心の強い子ねこは色んなものを口に入れてしまいます。猫用のおもちゃだけでなく、イヤリングや輪ゴム、画鋲、布の切れ端など、家の中には飲みこむ恐れのあるものが溢れています。誤食すると、腸閉塞や、腸に穴が開いてしまう腸穿孔を引き起こすかもしれません。

また、口にすると中毒を引き起こす物質にも気を付けましょう。例えば、玉ねぎやニンニク、ニラなどのネギ類です。誤食すると赤血球が壊されてしまい、貧血を引き起こします。チョコレートは不整脈や呼吸困難を生じる恐れがあります。他にも様々な物質が、嘔吐や下痢を引き起こす恐れがあります。

 

気付かない所で誤食しないように、ねこが活動する場所には危険なものを置かないように注意しましょう。

 

Young adult 青年期:1~6歳

この時期は、日々の健康ケアを継続することがとても大切です。子猫期と同じように、安全に気を付けながらコミュニケーションを取る中で、以下のケアも心がけましょう。

体重管理

ねこはいったん肥満になってしまうと痩せるのが大変です。日頃から、スキンシップの際に肉付きを確認しましょう。数カ月おきに体重測定をして、体重増加傾向ならば食事量が多すぎないか振り返ってみましょう。

体重測定は、ねこを抱っこして計測した後に自身の体重を引いたり、ケージにねこを入れた状態で計測し、後でケージの重さを引いたりすることで簡単に可能です。

健康診断

1年に1度を目安に動物病院を受診して、ねこの健康診断をすると良いでしょう。健康診断のメニューは身体検査や糞便検査、尿検査をはじめ、血液検査やX線検査を加えると、より全身状態を把握できるでしょう。多くの病気は症状に気付いた時には進行しています。症状が気にならないうちから病気を早期発見することで、重症化する前から治療が始められます。また、特に病気が発見されなかった場合は安心できますし、後に実施した検査結果の比較対象として貴重なデータになったり、病気への予防意識を高めることが出来ます。

定期的な混合ワクチン接種や寄生虫予防も継続しましょう。

デンタルケア

将来の歯周病のリスクを減らすために、日頃から歯磨きをすることが理想的です。ただし、ねこにいきなり歯ブラシを使うことは難しいでしょう。まずは口元へのタッチに慣れてから指磨きから始めましょう。デンタルシートやジェルを使うと効果的です。ねこにとって歯磨き自体が苦痛にならないように、無理なく少しずつ慣れていきましょう。将来、投薬が必要になった際も抵抗感が減るでしょう。 

●注意したい病気:下部尿路疾患

泌尿器のトラブルは、どのライフステージのねこにも起こりやすい病気です。膀胱炎や尿に結晶が生じる尿石症をはじめ、その結晶が大きくなると膀胱結石を生じ、結石が尿道に詰まると尿道閉塞といって命に関わります。普段の排尿の仕方や尿の色に異変が無いかをよく観察しておきましょう。定期的に尿検査をして病気を予防できると良いでしょう。

このように、ねこの年齢を把握し、ライフステージに合ったケアを続けることで、ねこが快適に過ごせるようにサポートできるといいですね。 

参考文献:

1. 2021 AAHA/AAFP Feline Life Stage Guidelines. Jessica Quimby et al. J Feline Med Surg. 2021 Mar;23

監修者

工藤 綾乃 先生 (獣医師)

札幌出身。地元の北海道大学を卒業後、関東の動物病院で勤務。腫瘍症例の治療に携わるなかで、より効果的な治療を見つけたいと考え、現在は麻布大学博士課程に在籍中。ねこと暮らしながら実験漬の日々を送っている。専門や興味のある分野は、がん、麻酔・集中治療、野生動物臨床など。